1. はじめに:フィリピン・BGCの医療事情とは?
フィリピンの首都マニラ、その中でもBGC(Bonifacio Global City)は、外資系企業や高級住宅街が立ち並ぶ近代都市です。街の発展に伴い、医療レベルも年々向上してきています。
特にBGC周辺には、国際基準の総合病院や小児科クリニックが多く、日本人を含む外国人ファミリーが安心して利用できる医療環境が整いつつあります。
ただし、日本と比べると次のような違い・注意点もあります。
医療費は全額自己負担が基本(キャッシュレス保険提携病院もあり)
混雑時は予約が必須、飛び込みでは断られることも
ワクチン接種や薬に関して取り扱い種類が違う場合あり
言語は基本的に英語対応(日本語対応は一部クリニックのみ)
日本語対応の総合病院とクリニックについては『【保存版】BGC(フィリピン)に移住する前に知っておきたい5つのこと』で具体的な施設名を挙げているので、ぜひ参考にしてください。
特に、小さなお子さんがいるご家庭では、万が一の時に備えて病院事情を把握しておくことが本当に大切です。
この記事では、実際に筆者がBGC・近隣エリアで子どもを診てもらった体験をもとに、リアルな医療事情・費用感・注意点を詳しくご紹介していきます。
2. BGC内での小児科受診体験
BGCには、外国人ファミリー向けの小児科クリニックや総合病院が複数あります。筆者が実際に受診したのは以下の施設です。
受診先:St. Luke’s Medical Center – Global City(セントルークス・グローバルシティ)
BGCを代表する国際水準の大型病院。小児科フロアが独立していて、設備もとても清潔・最新でした。
診察までの流れ
簡単な流れ
- 事前予約(電話またはアプリから)
- 受付で問診票記入(英語)
- 診察
- 必要に応じて検査・処方箋発行
- 支払い(窓口またはアプリ)
St. Luke’s Medical Centerのアプリ予約方法(簡単ガイド)
BGCのSt. Luke’s Medical Centerでは、専用アプリから簡単に診察予約ができます。
混雑時もスムーズに受付できるので、ぜひ活用しましょう!
アプリでの予約手順
step
1アプリをインストール
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App StoreまたはGoogle Playで「St. Luke’s eHealth」と検索
-
緑色のクロスアイコンが目印です
step
2アカウント登録
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名前、メールアドレス、携帯番号を入力
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パスワードを設定してアカウント作成
-
本人確認のSMSコード入力
step
3予約手続き
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アプリを開き「Appointment」をタップ
-
診療科(Pediatrics/小児科)を選択
-
医師を選び、希望日時を選択
-
症状の簡単な説明を入力
-
予約確定ボタンを押す
step
4当日は予約時間に受付へ
-
受付で「オンライン予約済み」と伝え、アプリの画面を提示すればOK!
メモ
- 当日の朝にリマインダー通知が来るので忘れず確認
- キャンセルや変更もアプリからワンタッチで可能
- 飛び込み受診も可能ですが、混雑状況によっては長時間待たされる場合があります。
費用感(目安)
項目 | 費用 | 備考 |
診察料 | 1,500〜2,500ペソ(約4,000〜6,500円) | |
薬代 | 500〜1,500ペソ(約1,300〜3,800円) | 抗生物質シロップや解熱剤など |
※クレジットカード利用可。海外旅行保険のキャッシュレス対応も病院によって可能ですが、事前に保険会社に確認が必要です。
受診時のポイント
医師は基本的に英語で対応しますが、子どもにも優しく接してくれるので安心感あり。
ワクチン接種スケジュールは日本と異なる部分もあるので、必要に応じて相談しましょう。
予約があっても、30分〜1時間程度待つこともあるので、時間に余裕を持って行動すると◎。
このように、BGC内の医療施設は総じて「安心できるクオリティ」ですが、
費用が高額になりやすいため、普段から医療費対策(海外保険・現地保険の検討など)が必須です。
St. Luke’s Medical Centerのアプリだけでなく、
契約している保険適用のクリニックや病院のアプリをインストールしておくと、万が一の時に慌てることなく病院にかかれます。
3. 実体験1:St. Luke’sに子どもが入院した話
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きっかけと受診までの流れ
ある日、子どもが急に高熱(39度以上)を出し、ぐったりして動けない状態に。
BGC内で完結できる医療機関を探し、St. Luke’s Medical Center Global Cityの小児科を受診しました。
受診までの流れ
- アプリで小児科の予約
- 当日、1階のレセプションで受付
- 小児科エリアへ案内(専用の受付カウンターあり)
診察〜入院決定まで
診察結果は肺炎+高熱による体力低下。
医師から「このままだと危ないので、最低でも一晩は経過観察が必要」と説明を受け、即日入院が決定しました。
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入院手続きは20〜30分で完了
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このタイミングで保険のキャッシュレス利用申請(事前に保険会社へ連絡)
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保護者の本人確認書類(パスポート)も必要
入院中の様子
St. Luke’sは個室中心で、設備もとても綺麗でした!
個室の特徴
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ベッド1台+保護者用ソファベッド付き
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専用バス・トイレ完備
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Wi-Fi無料
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簡単なミニ冷蔵庫・収納スペースあり
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テレビあり(英語チャンネル中心)
子ども用の食事(おかゆ、スープなど)もリクエスト可能
看護師さんは英語対応が基本ですが、簡単な日本語単語を知っているスタッフも一部いました。
入院費用イメージ
項目 | 費用/泊 |
部屋代 | 5,000ペソ(約13,000円) |
医師診察・検査費 | 8,000ペソ(約21,000円) |
投薬・処置費用 | 5,000ペソ(約13,000円) |
※検査+点滴治療+薬代込み
➡️ 合計:約18,000ペソ(約47,000円)/1泊
この時は3泊の入院だったのですが、St. Luke’sが加入している保険の適応ということに気づかず、3泊分全額支払いました。。
この記事を読んでいる皆さんは、事前に契約内容のご確認をお忘れなく!
4. 実体験2:BGC外のローカル総合病院に入院した話(Makati Medical Center)
きっかけと受診までの流れ
再び子どもが発熱と下痢の症状を発症。
BGC内のクリニックを受診後、医師の勧めで、Makati Medical Center(通称MMC)に紹介入院することに。
受診までの流れ
- クリニックから紹介状を受け取る
- Grabを利用して移動(車で約20分)
- 受付で紹介状とパスポートを提示
Makati Medical Centerの印象
BGCに比べると街中の総合病院感が強いですが、
施設は清潔で、外国人患者も多く安心できました。
MMCの特徴
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小児科専用フロアあり
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日本語対応スタッフはいないが、英語で十分通じる
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セキュリティがしっかりしている(入館証発行制)
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売店やATMも病院内にあり便利
診察・入院の流れ
到着後すぐに診察。
血液検査と点滴を行った結果、胃腸感染症と判明し、そのまま入院が決定。
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デポジット(保証金)支払いが必要(約20,000ペソ/約53,000円)
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保険キャッシュレス対応あり(ただし手続きに少し時間がかかった)
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事前に保険会社への連絡が必須
入院中の様子
個室の特徴
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清潔でシンプルな室内(ベッド+保護者用簡易ベッド)
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バス・トイレ付き
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冷蔵庫・テレビ完備(ただし英語チャンネル中心)
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食事はフィリピン料理ベース(日本人には少しヘビーに感じるかも)
子ども用食事をリクエストすれば、おかゆやスープに変更してもらえました!
入院費用イメージ
項目 | 費用/泊 |
部屋代 | 4,000ペソ(約10,500円) |
医師診察・検査費 | 6,000ペソ(約15,700円) |
投薬・処置費用 | 3,000ペソ(約7,900円) |
※検査+点滴治療+薬代込み
合計:約13,000ペソ(約34,100円)/1泊
今回は保険適用内の病院だったため、自己負担ゼロでした。
5. 日本語対応クリニック・サポート情報まとめ(訂正版)
BGC内の日本語対応医療機関
St. Luke’s Medical Center – Global City(BGC)
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ジャパニーズヘルプデスク(JHD)が設置されており、日本語でのサポートが受けられます。
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診療科目:総合診療(内科・小児科・専門外来など)
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対応時間:月〜金 8:30〜17:30、土 9:00〜14:00
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連絡先:
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日本語直通:+63-917-592-5732
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24時間対応:+63-2-506-7985
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キャッシュレス診療:海外旅行保険やクレジットカード付帯保険に対応しています(事前確認推奨)
日本語スタッフによるサポートがあり、診察から会計まで安心して受診できます。
通訳サポート・海外保険デスク情報
ジャパニーズヘルプデスク(JHD)
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対応病院:St. Luke’s Medical Center – Global City、Makati Medical Centerなど
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サービス内容:日本語通訳、診察予約、キャッシュレス診療手配など
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連絡先:各病院ごとに異なるため、事前に確認が必要です
東京海上フィリピン(Tokio Marine Insurance Philippines)
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サービス内容:日本語通訳サポート、医療機関へのアテンドサービスなど
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対象:海外旅行保険加入者
事前に自身の保険がどの病院でキャッシュレス対応しているか確認し、必要に応じて日本語サポートを利用することで、緊急時にも安心です。
6. フィリピンで子どもを診てもらう時のポイント【体験ベース】
緊急時の備え方
かかりつけ医を事前に決めておく
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BGC内なら St. Luke’s Medical Center Global City を第一候補に。
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普段から軽い診察でも利用しておくと、いざという時にスムーズです。
医療保険・キャッシュレス診療対応を確認
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日本で加入した海外旅行保険・クレジットカード付帯保険が使えるかチェック。
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必要に応じて、現地の医療保険(例:Pacific Crossなど)にも加入検討。
24時間対応クリニック・病院の場所を把握
- 夜間や週末でも対応可能な施設を家族で共有しておきましょう。
普段からできる医療リスク対策
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感染症予防
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フィリピンではデング熱・インフルエンザ・手足口病が流行しやすいため、虫除け・マスクの常備が有効。
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プールや公園利用後はしっかり手洗い・シャワーを。
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予防接種の管理
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日本とフィリピンでは推奨スケジュールが異なることもあるので、小児科医に相談しながら追加接種を検討。
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例)デング熱ワクチンやB型肝炎ワクチンなど
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熱中症対策
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年間通して暑いため、外出時は帽子・日焼け止め・水筒必携。
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熱が出た場合はすぐに小児科受診するか、熱中症を疑う。
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食事管理
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衛生状態に注意。生野菜や水道水は避け、信頼できる店での飲食を心がける。
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7. まとめ:実際に経験して分かった「安心して子育てするために必要なこと」
フィリピン・BGCで子どもを育てるうえで最も大切なのは、緊急時に備えた準備と普段からの小さな積み重ねです。
今回の実体験を通じて感じたのは、事前に信頼できる小児科や病院をリストアップしておくことの大切さ、そして医療保険や通訳サポートなど、万が一に備える環境を整えておく安心感でした。
また、普段から予防接種や感染症対策、熱中症対策を意識して生活することで、子どもたちの健康リスクを大きく減らすことができます。食事や衛生面にも日々気を配り、リスクを未然に防ぐ意識が欠かせません。
もちろん、どれだけ準備をしていても、子育てには予期せぬトラブルがつきもの。
だからこそ、「万が一のときも冷静に対応できる」という心の余裕を持つことも、現地で安心して暮らすためには必要不可欠だと感じました。
フィリピンは子どもに優しい国です。
きちんと備えてさえいれば、BGCでの子育てもきっと、かけがえのない素敵な思い出に変わっていくはずです。
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